2001/10/01

愛しさを








戦乱の最中に君とであった。



「私ビッキー。頼る所もない、可哀相な身の上なの。ねえ、私の事守ってくれる?」



突然現れた、彼女のその言葉に驚きながらも僕は、いつしか微笑んでいた。


「いいよ」



      君は僕を楽しませてくれそうだからね。


そしてその予感は正しかったのだ。










「あれ、また呪文を忘れちゃった」



テレポート担当の彼女は、相当なうっかりものだった。


「ビッキー。君は本当に…」
「え、え、え、…もしかして怒ってますか?」


何を言い出すかと思えば…
僕は微笑んでいった。


「はは。…大丈夫、怒ってなんかいないよ。」


むしろ愛しさが募った程だ。


「よかったあ…」


ほっとした表情でそう呟く彼女は、本当に可愛い。


「私ぼけてばかりいるから…あきれられちゃったかなあって、思いました」


ほんとにもう…彼女は僕を楽しませてくれる。
そう思ったら「ぽんぽん」と頭を撫ぜていた。


「いいんだよ。ビッキーはそのままで。…可愛いんだからさ」
「えええ?わたしが?」
「うん」勿論だね。
「わわわ…なんだか嬉しいですよ…」


はは。…そんなこといわれると…僕の方まで嬉しくなるね。
彼女への愛しさ故に。



ビッキーがここにきてから今までに、数々の天然ボケっぷりを発揮していた。


例えば。テレポートの練習をしていて、入浴中のミルイヒを食堂にふっ飛ばしたり。
レオンあてのマッシュの手紙を、(何と間違えたのか知らないけれど)「ぱくっ」と食べそうになったり。
…ほかにも何も無い所で転ぶ、マミムメモースを間違える、砂糖と塩を間違える、などということも、日常茶飯事だったりするのだが…まあこれは可愛いものであろう。


いつのまにか目が離せなくなっていた。
いつ、とぼけた事をやるか分からないから。
転んで怪我するのは当たり前。…放っておいたら、男湯と女湯を間違えることだって有りうるだろう。



「私の事守ってくれる?」



仲間にした時、問われた言葉。


      うん、守ってあげるよ



もはや僕は、君を守らずにいられなくなってるのだから。





「ビッキー」
「え???はいっ!」
「僕は君を守ると…約束したよね?」


こくん。頷く少女。


「守るからさ、そのためには僕の側にいて欲しいんだ」
「はい…」


深呼吸を一つする。さすがにこれは…緊張するかもね。
心臓の鼓動。
…大丈夫。きっと大丈夫だから…。
この愛しさを伝えよう。





「好きだよ、ビッキー」



…言えた…
とたんに―少女がはらはらと涙を零す。



「ビッキー?」
「え!!??や、やだ、ごめんなさい。信じられなくて…ねえねえ、それって…お、女の子として好きってことですか?」
「うん」



そうして彼女は…一生懸命、微笑んだ。



「私も…好きです」



それは僕が望んだ言葉      



「有り難う」



にっこり笑って彼女を抱きしめる。
この幸せがどうか続きます様に、との願いをこめて。







                                       END




■石猫のヒトコト■

素敵にラブラブな二人に乾杯 v ←バカ?
もうなんかこう、幸せに満ち満ちていますねー!
ずっとこの幸せ街道を突っ走って欲しいものです v

そう・・・・・・たとえ他の何をギセイにしたとしても!←鬼畜発言
たれてるこさ〜ん!ステキなお話ありがとうございましたー!!!

ちなみに何もないところで転ぶ、マミムメモな鍛冶屋の区別が付かない、そして砂糖と塩を間違えるのは私も日常茶飯事です。ははは。


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