2002/02/14
■ Bitter or sweet? ■
〜愛の始まる少し前〜
それは、ふたりがまだ恋人になる前の話 「う〜ん…」 手にした箱とにらめっこをしながらそっとため息一つ。 蘇るのはある光景。 色とりどりのラッピング。 周りを取り囲む女の子達。 義理、本命いりまじった たくさんのチョコレートを手にしていたリウさん。 「どうしようかなあ…」 なにを悩んでいるのか? …答え。手にしているチョコレートを渡そうか否か。 今日はバレンタイン。 女の子達が感謝を、愛情を、たくさんの想いを込めて 男の子にチョコレートを渡す日。 ところが。それをわたしたい相手は、解放軍のリーダーで 女性陣の多くからチョコをもらっている身分。 なんとなく気後れしてしまうのだ。 それと、もうひとつ。 彼には「自分の」チョコだけを受け取って欲しい…なんて醜い感情があるから それに気が付いてしまったから。 「早く渡せば良かった…」 こんなに悩んでしまった後では、渡すに渡せない。 どうしようかなあ…。 他の人に渡すなんてとんでもない。 これはたったひとりのために作ったもの。 やっぱりリウさんに渡すのが一番だよね? でもでもでも…。 そっと包装紙を見やれば 自分の不器用さが露になっていて 悲しくなってくる がんばったのに。 ほう、とため息ひとつ。 その時。 『ビッキー』 呼ぶ声がして。 シュン!!! 「あれ?」 テレポートしていた。 「すごい。本当に来てくれた…」 「リ、リウさん?」 びっくりした。 「ひさしぶり」 ほえ? 「久しぶりって・・どうして?」 「…ああ。気にしないで良いよ」 気にしないでって言われても〜… 「気になるよ〜。」 「まあそうだろうね」 そう言って彼は曖昧に微笑む。 なんか変なの? リウさんってこんなに微笑んでいたっけ… 多少の違和感を覚える けれど う〜ん。まあいいか? と、ふっきった。 「ところでその箱。中身はなんだい?」 どきどきどき〜ん!!! 「えええええええええええ?!こ、これはその…」 まさかあなたへのチョコレートvとは言えまい。 おたおたと手をばたつかせる。 「開けてもいい?」 にっこり笑顔でそう言われても 「や、やだっ!!!」 と言えるとはさすがビッキー。(笑) しかしそこは傍若無人なリウ・マクドール。 「じゃあ開けるよ」 とかなんとか言って、がさがさと包装紙を開く。 …なんのための許可なのやら。 「や、や〜っ!!!」 かわいそうに、半泣き状態のビッキー。 「でも、これは僕へのものだろう?」 いたずらっぽく笑うリウ。 「どうして…知ってるの?」 「さあ?どうしてだと思う?」 「??????」 一生懸命考えてみるが、答えが浮かばず混乱するビッキー。 「答えは、去年君が教えてくれたからだよ。」 「去年…?」 とたんにはっと答えが浮かぶ「テレポート??」 「そんなところだね」 満足そうに言って、チョコレートを食べ始めるリウ。 「おいしい…」 「ほ、本当!??」 その言葉に喜ぶビッキー。 「ほんとうに、本当だよね??おいしい?」 「うん」 形はわるいけれど 味は本当に…甘く、なめらかに。 「よかったあ〜…私ね、お料理下手だから。レスターさんやアントニオさんに味見てもらいながら、作ったの。」 健気なその言葉はリウの胸を熱くさせた。 「ありがとう…」 「えへへ♪どういたしまして〜v」 やがて空になった箱をビッキーの手に渡し 「そろそろお帰り。‘僕’が待ってるよ」 「え…?」 謎めいた内容。 だけど確かに聞こえる声があって ―シュン!!― 考える暇もなく跳んでいた。 「行っちゃったか…。」 少し残念そうに。 だけど幸福感ののこった表情で 「またね」 少女の消えた場所へむかって、リウはつぶやいた。 +++ 「ああ、ビッキー。」 微笑みながらもどこか寂しそうなその顔は。 さっきまで見ていた‘彼’ではなく、最も良く知っているリウ。 「今丁度君の事を考えていたんだよ。」 「えっっ?!」 どきどきと 心臓が破裂しそうに 「ビッキーからチョコほしいなって。そう思ったんだ」 どくん。 「わ…わたし…?」 夢のようなその言葉 その意味は? 「そう。ビッキーの。…でも同時に今はまだ駄目かもしれないと思ったんだ」 「どうして?」 「僕はリーダーだから」 真っ直ぐに顔を上げて 言い放つ。 「他の人から貰ったものを、受け取らないわけにはいかない。不公平になるから。だけど本当は君のだけが欲しかった…。ビッキーは特別だから。」 がくがくとひざが震える。 トクベツ? あふれそうになる涙。 まって…もう少し。 「リウさん!コレ…」 そう言って さっきの…チョコのはいっていた箱を渡す。 「…空き箱…?」 「うん。あのね、中身は来年渡すから。気持ちだけ受け取ってもらえるかな?」 「来年?」 「そう。この戦争が終って、リウさんがリーダーじゃなくなったら。呼んでくれたら、どこにいても跳んでいくから…」 ふわりと 甘やかに笑うリウさん。 「わかった。絶対に跳んで来てくれるね?」 「うん!もちろんよ」 嬉しくて嬉しくて ついつい漏らすはずの無かった言葉まで言っていた。 「あのね…私もチョコレート、私のだけ受け取ってもらえたらいいなって思ってたの」 「…へえ?」 つと。リウさんと私の距離が縮まる。 「どうして?ビッキー」 近づいてくる端整な顔立ち。 収まりかけていた心臓の鼓動が 足の震えが また始まって …思わずその場にしゃがみこむ。 「なんなら僕がそう思った理由を教えてあげようか?」 私の目線に合わせ、しゃがみこむリウさん。 その手がほほに触れ 「それはね」 耳元に熱い吐息を感じる。 とたんにドアがノックされる。 「お〜い。リーダー!いるか?」 フリックさんの声。 わずかにため息をつくリウさん。 「また今度ね」 かすかに頷き、その場から逃げるように跳んだ。 「お、いたいた。なんだ返事ぐらいしろって…?!り、リウ?」 「なんだい?」 「その…紋章をどうする気だ?」 「想像に任せるよ」 「頼む!俺に向けるな!!」 「問答無用!!」 ごおおおおおおおおお… ソウルイーター発動。 …哀れ、青雷。 「まったく。ひとがいい雰囲気に持っていった所を邪魔するからだよ」 かれの呟きを彼女はまだ知らない―。 |
■ネコヤ ナギさんのヒトコト■ 長?甘。どこが苦いんだ?初めだけ? 昔書いたぼうびきと微妙に食い違っていますが気にしないでください(汗)別の話ってことで。 坊がだんだん畜生化してきてる…。書き手ににてきたのか? こんなブツですが、石猫さん。どうぞお納めください。 ■石猫のタワゴト■ 苦くて甘いステキな聖バレンタイン・ディ〜。 以前の設定と微妙に違う?いえいえそれはお互い様(笑)。 いや……思いつきで話を綴る私よりずーっとマシですって。 ネコヤさんの坊ちゃんはリーダーとしての責任感とアソビゴコロと自分の欲求がいいカンジに融合している方なのですごい素敵です〜v いつもはボケボケなビッキーが今日ばかりは“女の子”してるトコらへんも無茶苦茶カワイイですv そして!忘れちゃならんのが青雷さんの悲劇(笑)。 ヒトの恋路の邪魔をするからだよ、全く←どっかの鬼畜坊風に |