■■ 042: 別れ ■■






ずっと、一緒だと思っていた。

いや…。
本当は気付いていた。
彼女は為すべきことがある、いま、この時にいるのはほんの一抹の奇跡。

だけど、そんな奇跡にも慣れてしまったとき、君は遠くへと行ってしまった。




それはあまりにも突然で…。

さっきまで一緒に笑いあっていたのに。





どうしようもない無力感。
君がいなくなった事への脱力感。


いまさら分かったよ。
僕にとって、君は太陽だった。
僕の闇を明るく照らしてくれる太陽だったんだね。



数日経って、僕のもとに手紙が届いた。
ビッキーが自分がいなくなったら僕に渡して欲しいとリオウに渡していた手紙。


中にはこう書かれていた。





『ティルさん、私は毎日ティルさんといて幸せです。
幸せすぎて…怖いです。
いなくなっちゃうのが怖いんです。
ずっと一緒にいたいけど、私にはやることがあるみたいだから…。

だから、一緒にいた日々はとても楽しかったよ☆
ありがとうティルさん♪♪

幸せに・・・なってね。』



目頭が熱くなった。
震えた文字を見て、ビッキーがどんな思いで手紙を書いていたのかがわかる。
バカだな…。
僕はもう、君以外愛せるわけがない、
君がいやだって、その口を動かすまでは、僕は諦められるはずがない…。



こんな手紙を書くなんて、ずるすぎるよ。


何年後でも、何百年経っても、僕は君を見つけ出して言うよ。 バカだな、と、僕にとっての幸せは君なんだ、と


もう二度と会えなくても…ぼくは君が好きなんだ。
この気持ちは時と共に消えてしまうんだろうか?
消したくない、いつまでも持ちつづけていたい…。
彼女の悲しい顔だけは、見たくないから…。





僕らは別れた、だけど、気持ちだけは繋がっていたい。
つまらない幻想、そう思われてもいい…。
だけど新たな再会を夢見て、今はただ君を捜そう。











Data
No. 042 :別れ
Update 2004/02/19
Author ユウ


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